中途採用×AI:転職者の約半数がAIを活用、AIは採用ページを見ている?

株式会社KAKEHASHI

中途採用×AI:転職者の約半数がAIを活用、AIは採用ページを見ている?

転職者の46.7%が生成AIを活用し、約4人に1人がAIで企業情報を調べています。AIは、どのサイトを根拠に答えるのか。ChatGPTとGoogle系AIで、参照先は大きく違いました。

数字の出典は、マイナビ転職(転職者の生成AI活用46.7%)と、Itera(転職活動者880名のうち26.02%が、生成AIで企業研究をした)です。KAKEHASHIの独自集計で、次の2点がわかりました。

  • AIによって、参照先がまったく違います。 転職の質問全体では、ChatGPTは公的機関(32.7%)と大手の転職サービス(43.3%)を多く引用しました。Google系AIは、大手以外の人材会社・転職メディア(41.5〜42.9%)と、YouTube・noteなどの動画・投稿系(15.3〜25.0%)を多く引用しました。
  • 企業名を挙げた質問では、採用ページの扱いが分かれます。 ChatGPTは、企業の公式サイト・採用サイトを46.3%引用しました。Google系AIは、5.3%でした。

AIに自社を正しく取り上げてもらう取り組み「AIO(LLMO)」の視点で、調査結果と、求職者・採用企業・人材サービスそれぞれの打ち手をまとめます。

調査概要

項目 内容
対象 転職に関する日本語の質問へのAIの回答(AIが引用したサイト)、転職者・求職者の公開調査5件
対象AI ChatGPT、Google AI Overviews、Google AI Mode
データ Ahrefs Brand Radar(日本、Ahrefs標準のプロンプト)
取得日 2026年10月25日
最終更新日 2026年10月25日
質問の抽出条件 ①質問に「転職」「転職エージェント」「求人」のいずれかを含む ②質問に「転職」と、味の素・三井不動産・NTTデータ・富士通・楽天・任天堂・M&Aセンター・パーソルテンプスタッフ・ワンキャリアのいずれかを含む ③質問に「転職」と「ワンキャリア」を含む
公開調査 マイナビ転職(2026年7月)、Itera、電通(2026年3月)、ワークポート(2026年6月)、よつば制作所(2024年8月)
ご注意 Ahrefsのデータは、件数が少ないため、すべて参考値です

用語の説明です。

  • Google AI Overviews:Google検索の結果の上に表示される、AIによる要約です。
  • Google AI Mode:Google検索で、AIと対話しながら調べる機能です。
  • 参照元(引用元):AIが回答をつくるときに、根拠として使ったサイトのことです。

1. 転職者の46.7%が生成AIを活用(マイナビ転職)

マイナビ転職が、直近1年以内に転職した正社員700名(20代〜50代各175名)に聞いた調査です。

生成AIを活用している転職者の割合

  • 全体では、46.7%が生成AIを「活用している」と答えました。 約半数です。
  • 年代による差が大きくなっています。 20代は53.7%、30代は61.7%で、40代・50代は約3割にとどまります。
  • 年収が高いほど、活用が進んでいます。 年収1,000万円以上では、90.7%でした(該当者の人数は、原文に記載がありません)。
  • 履歴書・エントリーシートの作成への生成AI活用は、「ポジティブ」と思う人が37.0%にとどまりました。 活用は広がっていますが、使い方への評価は分かれています。

出典:マイナビ転職「転職者の生成AI活用に関する実態調査」(2026年7月30日発表、調査期間2026年4月7〜10日、WEB調査)。

2. 求職者はAIで「企業研究」をしている:企業の評判を調べる(Itera)

Iteraが、会社員5,000名に聞いた調査です。このうち、過去1年以内に転職活動をした880名の結果を見ます。企業の事業内容や評判を調べる「企業研究」に、AIをどのくらい使っているかを見ます。

転職活動者が企業情報を調べるときの方法

  • 26.02%が、企業研究(企業情報を調べること)で、生成AIに質問していました。 約4人に1人です。
  • 生成AIの利用率は、口コミサイト(12.50%)の2.08倍でした。 SNS検索(9.20%)よりも高くなっています。企業公式サイト(34.32%)との差は、8.30ポイントです。
  • 生成AIまたはAI Overviewで企業情報を調べた人は、重複を除いて314名(35.7%)でした。 3人に1人以上が、何らかの形でAIを介して企業情報に触れています。

AIで調べる内容は、次のとおりです(314名への質問)。

調べる内容 割合
企業の事業内容・評判 59.24%
年収・待遇の相場 53.82%
面接対策・想定質問 42.68%
志望動機・書類の作成補助 40.45%

出典:Itera「転職活動におけるAI活用の調査」(会社員5,000名のインターネット調査。aismiley.co.jp 掲載。調査時期の記載なし)。割合の分母は、26.02%等が転職活動者880名、上の表が314名です。

3. AIによって、参照先がまったく違う

AIが転職の質問に答えるとき、どのサイトを根拠にしているかを調べました。

転職の質問全体:ChatGPTは公的・大手、Google系AIは第三者の発信

質問に「転職」「転職エージェント」「求人」のいずれかを含むものを、AIごとに、上位20ドメインの引用を種類別に分けました。

転職の質問全体で、AIが引用したサイトの種類

サイトの種類 ChatGPT AI Overviews AI Mode
公的機関(厚生労働省、ハローワークなど) 32.7% 0.0% 0.0%
大手の転職サービス 43.3% 24.8% 28.7%
大手以外の人材会社・転職メディア 3.2% 41.5% 42.9%
動画・投稿系(YouTube、note、Yahoo!知恵袋) 0.0% 25.0% 15.3%
口コミ・ランキング・比較 11.8% 4.6% 5.7%
その他 8.9% 4.1% 7.4%

出典:Ahrefs Brand Radar(日本、2026年10月25日取得)、KAKEHASHI集計。各AIの上位20ドメインの、引用した回答数ベースの割合です。引用回数はChatGPT 1,082回、AI Overviews 948回、AI Mode 1,066回で、参考値です。

  • ChatGPTは、公的機関と大手の転職サービスで、合わせて76.0%を引用しました。 動画・投稿系は0.0%です。
  • Google系AIは、大手以外の人材会社・転職メディアが4割を超えました。 41.5%(AI Overviews)、42.9%(AI Mode)です。
  • 動画・投稿系も、Google系AIでは目立ちます。 AI Overviewsで25.0%、AI Modeで15.3%でした。
  • 口コミ・ランキング・比較は、Google系AIでは、4.6%〜5.7%にとどまりました。 多くはありません。
  • ネット証券・ネット銀行の調査や、米国の日本旅行の調査でも、近い傾向でした。 ChatGPTは公式・公的な情報を、Google系AIは第三者の発信を、より重く見ています。

採用企業のホームページ:ChatGPTは約半分、Google系AIはほぼ参照しない

質問に「転職」と、味の素・三井不動産・NTTデータ・富士通・楽天・任天堂・M&Aセンター・パーソルテンプスタッフ・ワンキャリアのいずれかを含むものです。上位30ドメインの引用を、種類別に分けました。

企業名を含む転職の質問で、AIが引用したサイトの種類

サイトの種類 ChatGPT Google系AI
企業の公式サイト・採用サイト 46.3% 5.3%
採用管理システム上の求人ページ 9.8% 0.0%
開示データ(有価証券報告書など) 14.6% 0.0%
人材会社の解説記事・転職メディア・口コミサイト 19.5% 86.2%
その他 9.8% 8.5%

出典:Ahrefs Brand Radar(日本、2026年10月25日取得)、KAKEHASHI集計。上位30ドメインの、引用回数ベースの割合です。引用回数はChatGPT 41回、Google系AI(AI OverviewsとAI Modeの合計)94回と少なく、参考値です。

  • ChatGPTは、企業の公式サイト・採用サイトを46.3%引用しました。 約半分です。採用管理システム上の求人ページ(9.8%)、有価証券報告書などの開示データ(14.6%)も引用しています。
  • Google系AIは、企業の公式サイト・採用サイトを5.3%しか引用しませんでした。 ほぼ参照していません。代わりに、人材会社の解説記事・転職メディア・口コミサイトが86.2%を占めます。
  • Google系AIでは、企業がコントロールできない第三者の情報で、自社の採用が説明されています。

考察:立場ごとの打ち手

求職者:AIの答えは「どこから来たか」を確かめる

AIの答えは、どのサイトを根拠にしているかで、傾向が変わります。Google系AIは、人材会社の記事や動画・投稿を多く根拠にします。企業が出す公式情報とは、違う角度の情報です。

  • AIの回答に出てくる情報の、元のサイトを確認する
  • 気になる企業は、採用ページや求人票でも確かめる
  • 口コミやSNSの情報は、公式の情報と照らし合わせて読む

採用企業:採用ページを「AIに答えさせる場所」にする

求職者は、企業研究のために、AIに「企業の事業内容・評判」(59.24%)、「年収・待遇の相場」(53.82%)、「面接対策」(42.68%)、「志望動機」(40.45%)を聞いています。ChatGPTは、企業名を挙げた質問で、公式サイト・採用サイトを約半分引用しました。採用ページは、AIが答えを探しに来る場所です。

  • 求職者がAIに聞くことの答えを、採用ページに書く。 事業内容、働き方、選考の流れ、求める人物像などです。
  • 求人票と開示情報を整える。 ChatGPTは、有価証券報告書などの開示データ(14.6%)も引用していました。
  • AI活用の取り組みを発信する。 転職者の約半数がAIを活用する時代です。企業がAIをどう使っているかも、関心を持たれる可能性があります。
  • Google系AIには、外部の情報で対応する。 公式サイトの引用が少ないため、人材会社の記事や口コミなど、第三者の情報にも気を配ります。

大手企業ほど認知のない中小企業:「調べられたときに負けない」準備を

一般的な転職の質問では、大手を含めて、採用企業のホームページは上位に入りませんでした(今回の上位20ドメインに、採用企業の公式サイトはありません)。まず「見つけてもらう」ことは、AIだけでは難しいといえます。

基本の考え方は、認知は転職サイトや人材紹介、スカウトで取り、AIでは「調べられたときに負けない」ことです。 電通の調査(転職経験者2,000人)では、転職先の検討や転職活動のときに「転職サイト・転職エージェントの登録・利用」をした人が55.3%で、転職活動の主な行動基盤になっていました。一方、若い世代には、SNSも認知のきっかけになります。よつば制作所の調査(東京都内の20代200名)では、就職・転職活動中の人の50%が、SNSの「おすすめ」やショート動画をきっかけに志望した企業が「あった」と答えています(2024年8月の調査です)。

事例:ワンキャリア。 質問に「転職」と「ワンキャリア」を含む回答で、引用された24回のうち、15回(62.5%)がワンキャリア自身のページでした。

ワンキャリアに関する転職の質問で、引用されたページの内訳

引用されたページ 回数 割合
ワンキャリア転職(plus.onecareer.jp) 6回 25.0%
採用関連(採用サイト、選考の流れ、求人一覧、採用管理システム上の採用ページ) 4回 16.7%
コーポレートサイト・プレスリリース 3回 12.5%
公式note 2回 8.3%
第三者・その他 9回 37.5%

出典:Ahrefs Brand Radar(日本、2026年10月25日取得)、KAKEHASHI集計。3つのAIの合計で、引用されたページは19件、24回です。回数が少ないため、参考値です。なお、ワンキャリアは転職・就活のサービスを運営する会社のため、一般の企業と同じとは限りません。

選考の流れ、求人一覧、社員の公式note、プレスリリースなどが、引用されていました。打ち手は、次の4つです。

  1. 採用ページを「AIの受け皿」にする(最優先)。 選考の流れ、求人、働き方、よくある質問を、1つの採用ページにまとめます。
  2. 社員の声を、公式noteで発信する。 社員が語る仕事や職場は、AIが引用できる材料になります。
  3. 取引のある人材会社に、自社の紹介記事を書いてもらう。 Google系AIは、人材会社の記事を多く引用しています。
  4. 口コミサイトの掲載内容を確認する。 事実と違う内容があれば、訂正の手続きを検討します。

SNSの役割。 note・YouTubeは、AIに引用されていました(動画・投稿系)。一方、Instagram・TikTok・Xは、今回の上位20ドメインには入りませんでした。ただし、求職者の83.8%は、公式サイトや求人票以外に、SNS・口コミサイトを確認しています(ワークポート、2026年5月調査、同社サービス利用者308人)。公式情報と食い違ったとき、「SNS・口コミを信頼する」人は43.8%で、「公式サイトや求人票」の29.1%を上回りました。SNS・口コミが原因で応募や選考をやめた経験がある人は、確認する人のうち48.0%です。

そのため、Instagram・TikTok・Xは、次のように使い分けます。

  • 若い世代への「認知の入口」として使う
  • 求職者が直接確かめに来たときに、等身大の情報を伝える場として使う

人材サービス:「問いへの答え」がカギ

Google系AIでは、大手以外の人材会社・転職メディアが、4割を超えて引用されていました。求職者が実際に聞くような問いに、答える記事が、引用される可能性があります。たとえば「何歳まで転職できるか」「何年目から転職してよいか」といった問いです。今回のデータでは、記事の内容までは分析していません。

打ち手の整理

立場 まず取り組むこと
求職者 AIの答えの元のサイトを確認し、採用ページや求人票でも確かめる
採用企業 採用ページに、求職者がAIに聞くことの答えを書く。外部の情報にも気を配る
大手企業ほど認知のない中小企業 認知は転職サイト・人材紹介・スカウトで取り、採用ページ・公式note・人材会社の記事で、調べられたときに負けない準備をする
人材サービス 求職者の問いに答える記事をつくる

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同じ方法(AIが引用するサイトの調査)で、ほかの分野も調べています。

よくある質問

転職者のどのくらいが、生成AIを活用していますか?

マイナビ転職の調査(2026年7月発表、直近1年以内の転職者700名)では、46.7%が生成AIを「活用している」と答えました。20代は53.7%、30代は61.7%、40代・50代は約3割です。

求職者は、AIで企業研究のために何を調べていますか?

Iteraの調査では、転職活動者880名のうち26.02%が、企業情報を調べるときに生成AIに質問していました。AIで調べる内容は、「企業の事業内容・評判」が59.24%で最も多く、「年収・待遇の相場」が53.82%でした(AIで企業情報を調べた314名への質問)。

ChatGPTとGoogleのAIで、参照されるサイトはどう違いますか?

転職の質問全体では、ChatGPTは公的機関が32.7%、大手の転職サービスが43.3%でした。Google AI OverviewsとAI Modeは、大手以外の人材会社・転職メディアが41.5%と42.9%、動画・投稿系が25.0%と15.3%でした(参考値)。

企業の採用ページは、AIに参照されますか?

企業名を挙げた転職の質問では、ChatGPTは企業の公式サイト・採用サイトを46.3%引用しました。Google系AIは5.3%でした(件数が少ない参考値です)。

採用企業は、AIに対して何をすればよいですか?

まず、採用ページに、求職者がAIに聞くことの答えを書きます。ChatGPTは、採用ページ・求人票・開示情報を引用しているため、これらを整えておくことが、引用される材料になる可能性があります。Google系AI向けには、人材会社の記事や口コミなど、第三者の情報にも気を配ることが大切です。

まとめ

  • 転職者の46.7%が生成AIを活用し、約4人に1人(26.02%)がAIで企業研究(企業情報の調べもの)をしています。調べる内容は、企業の事業内容・評判が中心です。
  • AIによって、参照先が違います。ChatGPTは公的機関と大手の転職サービス、Google系AIは大手以外の人材会社・転職メディアと動画・投稿系を、多く引用しています。
  • 企業名を挙げた質問では、ChatGPTは採用ページなどの企業の公式サイトを約半分(46.3%)引用し、Google系AIは5.3%でした。
  • 採用企業は、採用ページを「AIに答えさせる場所」にしながら、外部の第三者の情報にも気を配る必要があります。
  • 大手企業ほど認知のない中小企業は、認知を転職サイト・人材紹介・スカウトで取り、AIでは「調べられたときに負けない」準備をすることが大切です。

この調査の注意点です。

  • 調べたのは、2026年10月25日時点のデータです。AIの回答は日々変わります。
  • Ahrefsのデータは、件数が少ないため、すべて参考値です。引用の割合は、上位のドメインの集計です。
  • 公開調査は、調査の対象や時期が、それぞれ違います。数字を単純に比べることはできません。
  • 特定の転職サービスの順位づけを、するものではありません。

この記事は、AIの回答の傾向を調べたものです。特定の転職サービスや企業の利用をすすめるものではありません。

出典:Ahrefs Brand Radar(日本、2026年10月25日取得)、KAKEHASHI集計/マイナビ転職「転職者の生成AI活用に関する実態調査」(2026年7月30日発表)/Itera「転職活動におけるAI活用の調査」(aismiley.co.jp 掲載)/電通「キャリア 転職者まるわかり調査2026」(2026年3月25日発表)/ワークポート「転職活動におけるSNS・口コミの影響に関する調査」(J-CAST会社ウォッチ、2026年7月4日掲載)/よつば制作所「Z世代の就職・転職活動におけるSNSの活用状況に関する調査」(2024年8月28日発表)

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